12月14日に販売開始したトヨタのコンパクトSUV『C-HR』。キャラクターラインがはっきり出ていてエッジの効いたデザインは個人的に好み。とは言え、いざディーラーで試乗すると、後部座席が思いのほか狭いという事実が判明した。今回は『C−HR』の後部座席について、ライバル車となるホンダ『ヴェゼル』と比較しながら、詳細レビューをお届けしたいと思う。
(各画像はトヨタ・ホンダの公式ページより引用)
C-HR、後部座席が狭くロングドライブは辛い
最初に結論から述べると、『C-HR』の後部座席はふつうに狭い。他サイトでは「思ったより狭くなかった」といった意見があるが、身長175cmの筆者からすると、「普通に狭い」というのが正直な感想。
実際にディーラーで展示されている『C-HR』に乗り込んでみると、膝とフロントシートの距離が近く、まず脚は組めない。脚をちょっと伸ばしたいと思っても、「筋肉がのびて気持ちいい〜」というレベルではなかった。
現在乗っている車がセダンということもあるとは思うが、『C-HR』の後部座席は狭く、長距離ドライブを行なう場合、同乗する家族や友人はちょっと辛いのではないかと思った。運転手のドライビングポジションによっては狭さが解消されるかもしれないが。
加えて、“性能とデザイン、そのギリギリを追求して”と、『C-HR』の公式サイトで謳っていることもあり、リアウィンドウもデザイン性を優先した造形。ウィンドウの面積が狭いため窮屈さがある。「景色を観る」というドライブの楽しみがあまり出来なさそうと思った。
後部座席の快適性で言えば、C-HRよりヴェゼル
では、『C−HR』のライバル車となる『ヴェゼル』はどうだろうか。車内の広さの目安となるホイールベース(前輪と後輪の軸間距離)は、『C−HR』が2640mm、『ヴェゼル』が2610mmと、ホイールベースで比較すると『C−HR』のほうが長い。
そのため、ヴェゼルのほうが狭そうと思った。しかし、ディーラーへ行き、乗り比べてみたら意外にも『ヴェゼル』は全く狭くない。脚は組めるし、頭上の空間も高く窮屈さを感じることはなかった。
リアウィンドウについては、『C−HR』と同様『ヴェゼル』もクーペ風のエクステリアデザインとなっているが、景色を楽しむには申し分ないウィンドウの広さ。最初に『C−HR』を乗ったこともあり、その開放感を強く感じることができた。
『ヴェゼル』の公式サイトを確認すると、「乗る人すべてが、ゆったりくつろげる空間。」と謳っており、後部座席においては、「身長185cmの人でも、ゆったり座れる」ことをモットーに設計したとの記載があった。後部座席の居住性の良さに納得。
『C−HR』のサイトでは、リアシートの居住性については特にトピカルに伝えておらず、設計思想の違いを感じる。ロングドライブを快適に過ごせるのは間違いなく『ヴェゼル』だろう。